2011年04月18日(月) 美術品こぼれ話
当館には、草間彌生の初期のホワイトネットの大作があります。このたびこの作品をパリのポンピドゥーセンターと、ロンドンのテートモダンに貸し出すこととなりました。
そこで、修復家の方に来ていただいて、海外輸送に耐えられるように、作品のコンディションの確認と調整を行っていただきました。
いったん作品を裏返しにして、裏板を開けます。画布がバタバタしないように木枠との間につめてある特殊な緩衝材(インサート)の量を調整します。
修復家と担当学芸員が、作品の状態をチェックします。絵の具の亀裂の一つひとつや、1mmにも満たない剥落など、すべて記録を取ります。これだけ大きい作品になると、コンディションチェックはたいへんです。
大切な作品を無事に輸送するために、修復家、学芸員、輸送業者の話し合いや作業が、この後もまだまだ続いていきます。