美術館の独り言

京都国立博物館名品展準備中!

美術館では、10月22日から開催される「京都国立博物館名品展 京都千年の美の系譜―祈りと風景―」に向けて、作品の展示作業を行っています。

《阿国歌舞伎図屏風》を展示している所です。展示作業をするには、作品を動かす人だけでなく、前でバランスを整える人も必要です。屏風の開き具合は丁度良いか、ゆがんでいないか、などをチェックしながら展示します。

屏風にもいろいろな大きさのものがありますが、こちらの《阿国歌舞伎図屏風》は小ぶりな大きさのものです。ここだけの話ですが、私は写真だけ見て、もっと大きな作品のように感じていたので、この作品の小ささにびっくりしました。先入観って良くないですね。

実は、今回はこの《阿国歌舞伎図屏風》のために特別なケースを用意しました。かなり作品に近寄って見ることが出来るので、楽しみにしていてください!

こちらは、《法華経絵巻残闕》を展示している所です。絵巻物は、見やすいように斜めの台の上に展示しています。絵巻物がゆがんでいないか、あるいは、絵巻物を押さえるのに使うガラス板(卦算(けさん)と言います)が曲がっていないかなど、注意する点はたくさんあります。こちらの絵巻物も、かなり近くで見ることができるよう、工夫して展示していますので楽しみにしてください。

パネル類も展示するのも大事な作業の一つです。水平かどうか、確認しつつ展示していきます。

明日も引き続き、京博展の展示作業を行っていきます。とても充実した内容なので、展示作業をしながらも、つい作品をじっくりと見てしまいます。特に、屏風を開いたり、掛軸を掛けたりして作品と対面する時は、たまらないドキドキ感、わくわく感があります。屏風や掛軸、巻物などの日本美術の作品は、全体像を見るために「開く」という作業がつきものです。この、少しずつ作品が姿を現す、というドキドキ感を皆さんに味わっていただくことはできないのですが、すごく力を持った作品ばかりの内容の濃い展覧会になっていますので、10月22日からの京博展にぜひ足をお運びください。お待ちしています。