2014年08月10日(日) 作れちゃう
毎年恒例の実技室プログラム、「みんなで!ドット若冲」が開催されました。
当日に台風が直撃する恐れもあり、参加人数が心配されておりましたが、今年も無事に素敵な作品が仕上がりました。
「みんなで!ドット若冲」では、静岡県立美術館所蔵の伊藤若冲≪樹花鳥獣図屏風≫の一扇を拡大し、若冲が用いた技法「マス目描き」を実際に体感していただくと同時に、最終的には巨大な(5m×10m)の作品に仕立てるという大胆なプログラムです。講師は、イラストレーターで、実技室プログラムの絵の具開放日インストラクターを担当している志村さん。当日は参加者のみなさんが楽しく、チームワークを発揮して制作できるように、講師・スタッフはじめ参加者の皆さんにも、あだ名のネックストラップを用意していただきました。
1日目は、当館学芸員で現在開催中の『アニマルワールド』展を担当している福士さんが、展示場で本物を前に作品解説をしてくださいました。画面いっぱいに描かれた動物たちが何匹いるか、何という名前の動物か、マス目は全部でいくつになるか…等々、後の制作に役に立ちそうな情報をたくさん教えていただきました。制作中にも、この時の話が出てきたり、作品について調べたり考えたりする時間は大事だと、つくづく思いました。
1日目の午後から、2日目の午後にかけては、ひたすら、完成に向けて制作が続きました。
今回、下は小学生1年生から上は中学3年生までがご参加くださり、親御さんともあえて違うグループになって制作を進めていただきました。年齢もばらばらで知らない人ばかりのなかで、最初は心配そうな顔をしていた子どもたちも、制作をつづけていくうちに、それぞれが自分の仕事を探し、自然にみんなとコミュニケーションをとっていきます。「私は次に何をやったらいい?」「絵の具の色を作るのが得意だよ!」「僕はお水を交換するね。」そんな言葉があちこちから聞こえてきました。
そしていよいよ、エントランスに展示となりました。
並べる作業がまたひと苦労ですが、この時にはもう疲れも忘れて、皆さん完成に向かって一生懸命でした。全体的な参加人数が少なかったため、前年より少し小さめの出来上がりとなりましたが、当初の目標枚数は120%達成し、なんとも美しい孔雀の一扇が完成しました。
エントランスでの展示期間は、8月10日(日)~8月28日(木)までとなります。ぜひ、『アニマルワールド』展と一緒にご観覧くださいませ!