観れちゃう

小谷元彦展、Comming soon(その4)

先日、フォークリフトで搬入した大型作品を、エントランスホールに立てました。ここでもまたまた重機のお出ましです。重量のある彫刻等の設置には、通称「門型」(もんがた)と呼ばれるものを使います。移動できる簡易な鉄骨の骨組みにチェーンブロックを付けたもので、これで作品を吊って、起こしたり、設置場所を決めたり、台に載せたりするのです。

ところが、今回の作品は普通の美術館サイズの門型では吊りきれないため、特別仕様の門型を組み立てました。これほど大掛かりなものは、ちょっと珍しいので、特別にご紹介しましょう。

まず、作品を置く場所に、免震装置を設置します。これはもしも地震が起きたときに、作品を横に滑らせて揺れのエネルギーを吸収し、転倒を防ぐものです。

単管パイプをつないだ柱を立て、櫓を組みます。画面の奥に作品(の下部)が見えます。

高さ10mまで上がる高所作業車(これもまた超美術館サイズです)もお出ましして、櫓の上にH鋼を2本渡します。

H鋼に4つのチェーンブロックを付けて、作品を引き上げます。チェーンブロックはH鋼にそって移動させることができるので、それを利用して設置場所を調整します。

作品を安全に持ち上げるために、どの部分にベルト(ラッシングベルト)を掛けるのか、また4つのチェーンブロックをそれぞれどのタイミングとスピードで引いたり、緩めたりするのか。これはまさにプロの仕事です。日本通運の重機+美術品チームの熟練の技が光ります。

作品(下部)が立ったところで、櫓を移動します。これだけ大きな櫓が、柱の下につけられた4つの小さな台車で動くのにはびっくり。

再び高所作業車が登場。ここに作品(上部)を載せて持ち上げ、作品(下部)の上に設置しました。

この後、梱包を解いて、照明をあてると展示完了となります。その出来上がりは、ぜひご来館いただいて、ご観覧いただければと思います。