2012年04月02日(月) 作れちゃう
4月に入り、美術館も新年度に入りました。
先日の記事にもありましたが、美術館は桜が綺麗に咲いています。日に日にあたたかくなって、心地よい春到来ですね。
そして!明日からは、エントランスにて「ちょこっと体験・シルクスクリーン」が始まります!!
写真は、昨年度のちょこっとシルクの様子です。昨年から始まり、少しずつ定着してきたちょこっと体験。今年度も開催します!
ちょこっと体験では、エコバッグにシルクスクリーンで図柄を刷って、無料でお持ち帰りいただけます。(写真は去年のものなので、今年は新しい版をご用意しております!!)
シルクスクリーンは、「孔版」とも呼ばれる版画技法。よくTシャツのプリントなどにも使われる技法です。
今回の体験は刷るだけなので、15分くらいでできます!シルクスクリーンってどんなもの?と知っていただくきっかけになればと思います。
明日4/3(火)から、4/7(土)まで毎日開催。時間は10:00~12:00、13:00~15:00です。(先着100名程度で終了させていただく場合がありますので、ご了承ください)
場所はエントランスに入ってすぐ正面!予約不要ですので、お気軽にお越しください♪
2012年03月18日(日) 作れちゃう
本日の実技室は、リトグラフ講座2日目!
前回の記事でも紹介させていただきましたが、リトグラフは「平版」と呼ばれる版画の技法です。
平版の名の通り、銅板や木版のように削ったりはしません。つるつるのままです。
それでなぜ版画が刷れるかというと、油と水の反発を利用しているからです。
ちょっと詳しく説明しますと、石版(今回はアルミ版)に油性の描画材(クレヨンや油性の解き墨など)で自由に絵を描きます。
そしてそれをアラビアゴムや製版インクなどで順番に処理していくと、アルミ板が親油性と親水性に変化します。
簡単に言いますと、絵を描いた部分は油をひきつける性質に、描かなかった部分は水を引きつける性質に変化するのです。
版が完成したら、大きなローラーをころころころがして、水で湿らせた版の表面にインクをつけます。
すると!!リトグラフのインクは油性なので、親油性になった部分、つまり最初にクレヨンなどで絵を描いた部分にだけインクがつくのです。
それをプレス機で紙に刷りとって、完成!クレヨンや墨の筆致がそのまま現れるのがリトグラフの魅力です。
なかなかやってみないとイメージのわかないリトグラフですが、今日の参加者の皆さんは「こういうことだったんですね…」と、納得のご様子でした。
今日は特別に学芸員さんのフロアレクチャーもついて、盛りだくさんな一日でした。
参加者の皆さまは素晴らしいチームワークで片付けも完ぺきにして下さいました。ありがとうございます!
さてさて、今年度の実技室プログラムですが、残すは20日(火・祝)の粘土開放日のみ。しかし4月からは来年度のイベントがはじまりますので、ぜひスケジュールをチェックして下さい♪
2012年03月11日(日) 作れちゃう
今日は、美術館エントランスホールにて、ちょこっとシルクスクリーン体験を行いました。
前回同様、エコバックにシルクスクリーン印刷をちょこっと体験していただき、無料でお持ち帰りいただきます。
今回は、当館収蔵品ではなく、岩手県立美術館さん、福島県立美術館さん、仙台市博物館さんの収蔵品から、萬鉄五郎《岩手山と馬》、岸田劉生《静物》、伊達政宗の甲冑を製版させていただきました。様々な作品を収蔵している美術館、博物館さん、是非足を運んでみたいものです♪
今回も大変好評をいただき、80名近くのお客様に体験していただけました。ありがとうございます!震災以降、文化財や美術品の保存を使命とする美術館、博物館はたくさんの困難があったかと思います。未来のために守っている作品、文化財をシルクスクリーン印刷でお客様にささやかではありますが、ご紹介させていただきました。
刷っていただいた方に、以前石巻市のキヌヤ商店さんから譲っていただいた被災していしまったミシン糸をひとつずつお渡ししました。『大切に使わせていただきます』とのお声をたくさんいただきました。津波をかぶってしまった糸は、人の手をわたり、なにかに形をかえていくのかなと、温かい気持ちになった一日でありました。
2012年03月10日(土) 作れちゃう
今日実技室では、『リトグラフ』の実技講座が開催されました。リトグラフという名前は聞いたことはあっても、実際どのようなものかご存知でない方が多いのではないでしょうか?
リトグラフとは、版画の一種です。リトとは石のことで、今のオフセット印刷技術のもととなった技法です。水と油ってはじきますよね?その作用をつかった版画です。
といってもやってみないとよくわかりませんよね!?わからないことはやってみよう!が実技室流◎
石の上に油性のインク(クレヨンやコンテ、溶き墨など)で絵を描きます。この石は先生がご自宅からもってきてくださったドイツ産の石。とても重い石です。現在では石でなくても、薄いアルミ板で手軽にすることができます。
参加者の方々は、アルミ板で挑戦。描画を終えたら、アラビアゴムを上から塗っていきます。このまま6時間以上放置。すると、親油性が強まり、親水性も強まり、水と油がよくはじくようになります。
今日はここまで。来週、製版と刷りの作業を行います。さて、これでどんな版画が刷れるでしょう?
ちなみにこれがリトグラフ専用のプレス機。次回のブログをお楽しみに!!
2012年03月10日(土) 作れちゃう
明日、東日本大震災から1年が経ちます。
多くの方々は日常を取り戻しつつありますが、震災の影響は未だ被災地に深い爪痕を残しています。
静岡県立美術館では明日3/11、エントランスにてシルクスクリーン体験を実施いたします。
版の図柄には、被災された3県の美術館・博物館(福島県立美術館・仙台市博物館・岩手県立美術館)の所蔵作品を使用させて頂きます。
決して多くの事はできませんが、せめて震災がまだ過去の出来事ではないのだということを、改めて考えていただくきっかけとなれば…と考えております。
夏に実施した<ART!>では、石巻で津波被害にあった糸を使うことで、中学生たちに震災について向き合ってもらいました。
明日の10:00~12:00、13:00~15:00にエントランスにて開催いたします。
申込み不要、参加費無料です。ぜひ足をお運びください。