2014年11月01日(土) 美術館の独り言
現在、県立美術館で開催中の『美少女の美術史』展で作品として出品され、オリジナルグッズとしても販売されている美少女フィギュアを製作しました。
これは、企画展のために製作されたオリジナルアニメーションの主人公をモデル化したもので、材質はレジンキャスト製、路面を模した展示台付きです。
モデルの全長は約5㎝。縮尺が1/35なので、身長は5㎝×35=175㎝となり、アニメの設定上、
大柄な女性であることが判りますね。
塗装するカラーは展覧会図録に掲載されているアニメーションの設定画を参考にしました。
それでは製作開始です。はじめにフィギュアと展示台を成形してから離型剤を落とし、塗料の食いつきをよくするためにサーフェイサーを吹き付けます。
フィギュアの塗装では、一般的に顔や手などの肌部分から塗装するため、数種類の塗料を混色して
好みの肌色を作ります。
作った肌色の塗料を顔と両手部分にエアブラシで吹き付けます。
吹き付けた塗料が乾いたら、さらに、目、口、眉毛、頬、手の指先の陰影部分等を筆で描き込んで
いきます。
次に髪の毛、メガネの縁、スカーフ、ベルト、ハイソックス等をそれぞれ筆で塗り分けます。
続いてセーラー服の黒色を塗装した後、襟と両袖の白線を塗ります。塗料が乾いたら薄めた
つや消し塗料で全体のつやを整え、最後に革靴を塗装してフィギュアの完成です。
フィギュアの次は展示台を塗装します。写真は、サーフェイサーを吹き付けた状態です。
展示台の表面には長方形状のモールドが施されています。今回製作するのは「昭和初期の女学生」
ということで、「レンガの歩道」をイメージしました。調色した数種類の茶色を用意して長方形
部分をランダムに塗り分けました。
塗り分けた長方形状のモールドの間には直線が彫られており、薄めた黒色の塗料を流し込むことで
レンガとレンガの間の溝を表現しました。なんとか「レンガの歩道」に見えるでしょうか。
最後に「フィギュア」と「レンガの歩道」を接着して「昭和初期の女学生」の完成です。
完成したフィギュアは、現在、販売商品の完成見本として展示中です。
販売商品(※写真左側の白い方です)は、『美少女の美術史』展の会期中(11/16(日)まで)、
県立美術館2Fのブックショップで購入できます。この機会にあなたもぜひチャレンジして
みてはいかがですか。