作れちゃう

4/2・3 創作週間SP「色彩木版画」

実技室プログラムのお知らせです。

4月2日(土)3日(日)に、創作週間スペシャル「色彩木版画」が開催されました。

この「創作週間スペシャル」では、様々な基本的な技法を学んでいただき、月に5日間設けている「創作週間」での自主制作につながるようにという思いを込めて開催しています。

今回の創作週間SPは、木版画です。
木版画というと、小学生のころに経験された方が多いのではないでしょうか?

彫って、版に絵具をのせて、刷る、というシンプルな過程から、気軽にできる技法として親しまれています。
今回は2~3色彩を使い、春をテーマにして、多色刷りの作品を作りました。

講師は創作週間でも来ていただいている、木版画家の藤田泉先生です。(画面中央右)

hujita

今回は、参考資料に藤田先生の作品と版木をお持ちいただきました。
大切な版木、触るのにちょっとドキドキしてしまいますが、
指でなぞると彫り具合などを確かめられます。

hujita

今回は参加者の皆さまには下絵をご用意いただき、
これを基にして版づくりの計画をしました。

したがき

何色も使って刷るので、版木を分ける必要があります。
それぞれどの部分を彫るのか、この段階でしっかり決めておかなければ、上手く刷ることができません。パズルのように頭を使う作業ですが、先生や周りの人に確認しながら下絵を作ります。

さらに、下絵を版木に転写します。

てんしゃ

ここまでがとても長く感じますが、あとは、とにかく!彫るのみです。
安全に気をつけて、どんどん彫っていきます。木が削れていくのが気持ち良いですね。
ただ、一つの見当(複数の版を用いて刷る場合のガイド)がほんの少し歪んでいるだけでも刷りの時に絵柄がズレてしまうので、丁寧に彫らなければなりません。時間との勝負です。

ほり

 

彫りあがったら、やっと、刷りの工程です。
まずは絵の具をのせて、

過程

こするだけ…に見えますが、この絵の具置き所、絵具の伸ばし具合などで、刷りあがるものが全く違うものになります。

すりのむずかしさ

どのように色や形が出れば良いか、何回も刷り直しながら、自分のイメージと照らし合わせます。楽しい工程ですが、最も難しいかもしれません。
木の板一枚で、これほど幅広い表現ができることに驚かされました。

すりあがり2

悩みながら作業を続け…やっと完成にたどり着けました。

すりあがり

一見するととてもシンプルですが、繊細な作業の積み重ねによって1枚が作られていることがわかります。そう思うと、世に残る浮世絵等がどれだけ高い技術で制作されているか実感できます。

今回の講座で仕上がらなかった参加者の方もいましたが、続きは創作週間でしていただけます。

次回の創作週間は、4月6日(水)~10日(日)の間で静岡県立美術館の実技室で開催します。
初心者の方でも、お気軽に見学にお越しください。

 

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みんなで!ドット若冲 参加者募集のお知らせ

平成28年 5月4日(水祝)、5日(木祝)

静岡県立美術館の所蔵する、伊藤若冲樹花鳥獣図屏風じゅかちょうじゅうずびょうぶ》は、マス目描きという、方眼用紙のように1マスずつ区切る技法で描かれています。「ドット若冲」は、この《樹花鳥獣図屏風じゅかちょうじゅうずびょうぶ》を拡大して、1枚ずつのピースを作り、みんなで描いたピースを集めて約10メートル×5メートルの巨大な絵画を作るイベントです。作ったものは、最後にエントランスにて展示します。
この機会に、マス目描きの体験をして、みんなで大きな樹花鳥獣図屏風を作りませんか?小学生からご参加いただけます。
申込み等の詳細はこちらをご覧ください。
たくさんのご参加をお待ちしています!