2012年04月16日(月) 美術館の独り言
4月14日からオープンしました、「カラーリミックス―若冲も現代アートも―」展では、会期中にさまざまなイベントを用意しています。
今回は、フロア・レクチャーの紹介をしたいと思います。
フロア・レクチャーは、当館の学芸員が展示室内で作品をみなさまと一緒に見ながら解説を行うというイベントです。
ちょっとその様子を覗いてみましょう。
実際の作品を見ながら話を聞くと、理解も深まりますね。
このフロア・レクチャーですが、展覧会を開催するたびに行っているものではありますが、今回のカラーリミックス展では、少し豪華なかたちでみなさんにお届けいたします。
まず、今回はフロア・レクチャーを普段の展覧会よりも多く行います。4月は28日、29日、30日、5月は3日、4日、5日、12日、13日、20日、26日、27日と、展覧会最終日までみっちり行っていきます。14時から展示室で行っていますので、興味のある方はぜひご参加ください。
今回のフロア・レクチャーが豪華なのは、数が多いからだけではありません!今回は、当館の学芸員11人全員がレクチャーを行います。日替わりで学芸員が登場しますので、何度足を運んでいただいても、新たな発見があるのではないでしょうか。
カラーリミックス展会期中、他にも沢山のイベントが行われます。詳しくは、http://www.spmoa.shizuoka.shizuoka.jp/japanese/exhibition/kikaku/2012/01.phpのページの「会期中イベント」をご覧ください。
2012年04月14日(土) 美術館の独り言
本日、4月14日(土)から、「静岡県立美術館収蔵名品選 カラーリミックス―若冲も現代アートも―」展がオープンしました。
今回は、「色」をテーマに、美術館の収蔵品をご紹介する展覧会になっています。油絵と屏風、シルクスクリーンと掛軸など、普段はほとんど隣り合って展示されることのない作品を並べています。作品の新たな魅力に気づくきっかけになればと思っています。
さて、今回のカラーリミックス展では、どのように展示作業が行われていたのか、ちょっと覗いてみましょう。
5室に展示してある、小松均《赤富士 上下》の展示の様子を見てみましょう。
この作品は二曲屏風になっていて、上に展示する大きなサイズのものと、下に展示する小さなサイズのものとに分かれています。まず、下に展示するものから壁に取り付けていきます。
作品の下側は金具で支えています。壁に取り付けられたL字型の金具の上に作品が乗っています。作品の上側も金具で壁に付けます。
次に上側を取り付けます。大きいので、下側より更に大変です。
作品の一番上を留めている金具は、とても高い位置にあるので、このようなタワーを使って作業をします。
無事展示ができました!
沢山の人の手があって、ようやく展示ができる、という作品も今回の展覧会ではたくさん出品されています。この機会に、そういった作品も楽しんでいただけたらと思います。
2012年04月06日(金) 美術館の独り言
昨日は、静岡県と中国・浙江(せっこう)省の友好提携30周年を記念し、4月4日より本県を訪れている中国・浙江省友好代表団(団長・夏宝龍浙江省省長)をお迎えしました!
まずは、ちょうど春のよい時節・・・、静岡県立美術館の周りの桜でおもてなしです☆
代表団は当館の芳賀館長の先導のもと、なごやかな雰囲気で散策。夏宝龍省長は、満開の桜を、ことのほか喜ばれていました。
桜鑑賞後はロダン館へ移動し、館内を見学されました。
ロダン館の「地獄の門」の前で記念写真をパチリ☆
その後、カフェ「ロダン」に移動し、呈茶(清水のお茶「まちこ」ですよ!!)を堪能されました。
省庁団代表の夏宝龍省長からは芳賀館長に直筆の色紙が贈られました。
美術館の訪問を終え、芳賀館長と握手を交わす夏宝龍省長。
県立美術館は昨年25周年を迎えたばかり。それ以前からのお付き合いなんですね!
これからも静岡と中国・浙江(せっこう)省との素敵なお付き合いをしてゆきたいですね。
2012年03月29日(木) 美術館の独り言
暖かい日も多くなってきましたね。いよいよ春も本番でしょうか。
美術館の敷地内の桜も咲きはじめ、毎朝桜の様子をチェックするのが楽しみです。
ソメイヨシノはまだ蕾ですが、大島桜は今週末満開になりそうです。
桜が咲くと、気持ちもうきうきしてきますね。
ところで、今美術館では、展示室の中でもお花見ができちゃいます!
第7室では、「日本画―春の景―」と題しまして、春にまつわる作品を集めた収蔵品展を行っています。
写真右の作品は、高嵩谷《墨田川春景図屏風》(個人蔵)です。金地の華やかな画面に、まさに「春のうららの隅田川」の様子が描かれています。画面左の作品は、狩野養信《花見遊楽図屏風》(個人蔵)です。手前には咲き誇る桜の花、遠くにはうっすらと富士山が描かれています。
こちらの屏風は、伝雲谷等顔《春夏山水図屏風》(個人蔵)のうち右隻です。金地に桜の白が映え、清らかな美しさがあります。こちらの作品は重要文化財に指定されています。雲谷等顔といえば、毛利輝元から雪舟筆《山水長巻》を貰い受けたことで有名な、桃山時代の画家です。ところでこの作品、もともとは屏風ではなく、襖だったようです。なぜそんなことがわかるの?と思う方もいるかもしれません。画面のだいたい半分くらいの高さのところに、襖の金具が付いていた跡(「引手跡」と言います)があるため、もとは襖であったということがわかるんです。日本画には、襖絵を屏風や掛軸にしたり、あるいは絵巻物を切断し掛軸にしたり、さまざまに形を変えて、現代まで伝えられている作品もあります。作品の過去の姿に思いを馳せても良いかもしれませんね。
さて、展示室内でお花見気分を味わえる「日本画―春の景―」ですが、4月8日までの展示となっています。美術館の周辺で実物の桜も楽しみつつ、美術館の展示室の中では描かれたお花を楽しんでいただければと思います。ぜひ足をお運びください。