カテゴリー: 美術館の独り言

美術館の独り言

出張美術講座@浜松

先日、出張美術講座のため浜松市の小学校を訪問しました。今回は5年生の児童を対象に、屏風と掛軸のレプリカを使用して日本美術に親しんでもらう、という授業を行いました。

授業は畳の教室で行いました。畳の上に屏風が置かれると、なかなか雰囲気が出て良いですね。

掛軸のレプリカは七幅用意し、掛けおろしを体験してもらいました。掛軸をまっすぐきれいに巻くのは、意外と難しいです。最初は少し戸惑っていた子どもたちですが、すぐに積極的に掛けおろしをするようになりました。

屏風の鑑賞では、気づいたことを付箋に書いてもらい、そのままレプリカにペタペタ。こんなにたくさん気づくことが出来ました。授業の中ではすべての疑問に答えることができませんでしたが、残って質問をしてくれた子もいました。

授業を通して、「日本美術って面白い!」と思ってもらえたら、本当にうれしいです。美術館にもぜひ遊びに来て下さいね。

美術館の独り言

静岡県立美術館長 芳賀徹 大人気!!

10月24日(月)静岡大学教育学部附属静岡小学校4年生に会いに行きました目的は・・・被災地福島県いわき市立湯本第一小学校児童との交流を深めるため。

 当館は、学校の授業や活動を支援しようと、被災地のいくつかの小学校に絵具と画用紙などの画材を提供しました。湯本第一小学校もその一つ。津波や余震、放射能汚染と、重苦しい話題の渦中にあった子供達は、「希望に満ち溢れた世界」というテーマでたくさんの絵を描いて送ってくれました。一方、静岡大学教育学部附属静岡小学校4年生には、一足先に?「希望の門」のデザイン画を描いてもらっていました(夏の当館教育普及イベント、粘土で「希望の門」をつくろう!のもとにするため)。

両校の絵画は、当館に約1ヶ月展示したあと、湯本第一小学校児童の絵画返却時に、静岡小学校児童の絵画を同封(他、当館オリジナルエコバッグや県内児童がデザインしたTシャツなど同封)しました。

すると、湯本第一小学校から、静岡小学校児童絵画の返却にあわせて、手紙や作品展示風景などの写真が送られてきたのです!職員一同、すべての手紙に目を通し、再度、元気で純真な子供達の言葉に勇気付けられました。

 そんなやりとりがあった後、先日、静岡小学校の児童絵画作品とその手紙を、館長、副館長、担当者が手渡しにいったのです。

拍手で迎えてくれた子供達、「館長って偉い?」、「絵のこと、たくさん知ってる?」と興味津々・・・握手を求める子供まで・・・まるで芸能人!!(館長、満面の笑み)

館長が、いくつか手紙を朗読し、代表児童に手紙の束を渡したら、湯本第一小学校と静岡小学校が見えない糸でつながったような気がして、とてもすがすがしい気持ちになりました。

 こんな機会を与えてくれて、両校の子供達、先生達に感謝です。ありがとうございました。                                          M.S

美術館の独り言

粘土開放日ですよ

今日は粘土開放日!!ぐすついていたお天気も朝方に回復し、絶好の粘土日和です。

 

本日もたくさんの方にご参加いただきました!

線路は続くよどこまでも。他のご家族と繋がる楽しさもありますね!たっぷりの粘土で、身体全体をつかってお楽しみください。

ハロウィンが近いということで。スタッフ作ですが…ちょ、ちょっと、怖いです。

最近は定員をオーバーしてしまうことも多く、朝早くからお並びいただいている皆さま、申し訳ございません。安全と充分なスペースの確保のためですので、どうか御理解のほどお願いいたします。特に午前中は混み合うことが多くなっております。

なるべく皆さまに快適にご参加いただけるよう、スタッフもより良い運営方法を検討してゆきたいと思います。

次回の粘土開放日は11/20(日)です。ご参加、お待ちしております!!

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京都国立博物館名品展準備中!

美術館では、10月22日から開催される「京都国立博物館名品展 京都千年の美の系譜―祈りと風景―」に向けて、作品の展示作業を行っています。

《阿国歌舞伎図屏風》を展示している所です。展示作業をするには、作品を動かす人だけでなく、前でバランスを整える人も必要です。屏風の開き具合は丁度良いか、ゆがんでいないか、などをチェックしながら展示します。

屏風にもいろいろな大きさのものがありますが、こちらの《阿国歌舞伎図屏風》は小ぶりな大きさのものです。ここだけの話ですが、私は写真だけ見て、もっと大きな作品のように感じていたので、この作品の小ささにびっくりしました。先入観って良くないですね。

実は、今回はこの《阿国歌舞伎図屏風》のために特別なケースを用意しました。かなり作品に近寄って見ることが出来るので、楽しみにしていてください!

こちらは、《法華経絵巻残闕》を展示している所です。絵巻物は、見やすいように斜めの台の上に展示しています。絵巻物がゆがんでいないか、あるいは、絵巻物を押さえるのに使うガラス板(卦算(けさん)と言います)が曲がっていないかなど、注意する点はたくさんあります。こちらの絵巻物も、かなり近くで見ることができるよう、工夫して展示していますので楽しみにしてください。

パネル類も展示するのも大事な作業の一つです。水平かどうか、確認しつつ展示していきます。

明日も引き続き、京博展の展示作業を行っていきます。とても充実した内容なので、展示作業をしながらも、つい作品をじっくりと見てしまいます。特に、屏風を開いたり、掛軸を掛けたりして作品と対面する時は、たまらないドキドキ感、わくわく感があります。屏風や掛軸、巻物などの日本美術の作品は、全体像を見るために「開く」という作業がつきものです。この、少しずつ作品が姿を現す、というドキドキ感を皆さんに味わっていただくことはできないのですが、すごく力を持った作品ばかりの内容の濃い展覧会になっていますので、10月22日からの京博展にぜひ足をお運びください。お待ちしています。

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学芸員の仕事③ 巡回展の事前視察

学芸員の仕事はいろいろです。こんな仕事もあります。

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九州国立博物館(九博)に出かけました。静岡県美に12月巡回される「草原の王朝 契丹―美しき3人のプリンセス」展が、九博で開幕するのに合わせた長期出張です。

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展示作業の視察。作品の展示方法あるいは作品に注意するところがないかなど確認します。また、静岡での展示の構成も考えます。

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展示室以外にも、いろいろなところを見学しました。ショップの様子―どんなオリジナルグッズがあるか?…。すばらしいグッズたくさんありますのでお楽しみに!*

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その他、関連の体験コーナーも取材しました。「プリンセス着せ替え」のコーナーです。自分でやってみましたが(笑)、うまくいかなかったので、その後モデルをお願いしました。面白いので、静岡にも持ってきたいと考えています。

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これはプレス向け内覧会の様子。説明しているのは、本展担当の市元塁研究員(学芸員)です。静岡に来てもらい、展示指導および講演会講師をやってもらうことになっています。よろしくお願いします。

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そして開会式に出席。取材しました。出席者いつもより多いとのこと。展覧会への期待がうかがえます。9月27日から一般公開です。

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最後、中国人のクーリエ(展示作品確認のため来日した博物館関係者)と記念写真パチリ(ただしピンボケ)。この前夜には会食し、日中友好もはかりました。「謝謝!!」「辛苦了!」…?

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この契丹展、展示品は一級品。すばらしい展覧会です。絶対にお勧めですので、お楽しみに!静岡での展覧会は12月17日からですので、しばらくお待ちください。(あわてて九州にいかなくても大丈夫です。)

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4日の滞在の間、いろいろな人と交流を深めました。九博の研究員ほか職員の方はもちろんのこと、輸送展示の作業員、ディスプレイ関係者、ショップ関係者および新聞社やテレビ局などマスコミ関係者などなど…。こういうのも学芸員の仕事です。展覧会準備に関わる一連の仕事、意外に知られていないのではと思い紹介しました。