2011年04月25日(月) 美術品こぼれ話
当館コレクションの中でも人気の高い《水上の蛍》。その名の通り、床には水が張ってあり、水鏡となっています。
床を鏡面にするために水を用いる理由のひとつは、継ぎ目のない完全な水平面が比較的簡単に作れることです。もしこれを人工で作ろうとすれば、最先端の工業技術をもってしても容易ではないでしょう。水面は水平であるという当たり前のことが、逆にすごいことなのだと思ってしまいます。
また、人がこの作品の中に入ると、かすかに水がゆらぎます。水面が動くと、上下前後左右6面すべてが合わせ鏡になっているこの部屋の中全体の景色が、微妙に動きます。そのとき、何か作品が息づくかのような感覚をおぼえます。これもこの作品があえて水を使っている理由の一つでしょう。
さて、この床の水には防腐剤などの薬品は一切入れていませんので、しだいに濁ってきます。そこで定期的に水を入れ換える作業をしています。
水をかき集めながら、ポンプで吸い出していきます。水深は、実は約6cm程度の浅さです。見た目では深淵のようですが。
ホースをのばして、近くのトイレの排水口へ流します。
排水、清掃、給水に約4時間かかります。中で作業していると、くらくらしてきます。けっこうな重労働です。この作業は休館日に、作品の点検を兼ねて学芸員とボランティアで行っています。
床面の防水シートをきれいに拭いて、新しい水を入れます。少しずつ水が広がっていくのを、ぼーっと眺めているのは、なかなか至福のときです。
?《水上の蛍》の今年度の展示は、現在開催中の「百花繚乱」展が終わるまで、つまり5月15日までです。大学生以下は無料で観覧できます。お見逃しなく。
2011年04月24日(日) 作れちゃう
本日、マイマー(パントマイマー)shivaさんによる、アートパフォーマンスワークショップが行われました!
会場はロダン館。ロダンの彫刻たちに囲まれてのワークショップです。
呼吸の仕方、体の動かし方、ストレッチ、空間の捉え方、エアー日本刀のぬき方、花畑で楽しく花を摘むしぐさなど、shivaさんの動き見よう見真似で体を動かします。
shivaさんのようなユーモラスな体の動きをするには柔軟な体が必要です。
肩甲骨を意識してねじる、普段動かさない筋肉を動かしたせいか、私は体がポキポキなりました(笑)
参加者全員で、カレーの市民の体の動きを表現してみることに!
やってみると、カレーの市民の気持ちがわかるかも!?
ただ見るだけでなく、体全体でロダンの彫刻を感じることができた一日でした。
映像はワークショップの様子です。
shivaさん、本当にありがとうございました!
N.S