2011年05月25日(水) 観れちゃう
先日、フォークリフトで搬入した大型作品を、エントランスホールに立てました。ここでもまたまた重機のお出ましです。重量のある彫刻等の設置には、通称「門型」(もんがた)と呼ばれるものを使います。移動できる簡易な鉄骨の骨組みにチェーンブロックを付けたもので、これで作品を吊って、起こしたり、設置場所を決めたり、台に載せたりするのです。
ところが、今回の作品は普通の美術館サイズの門型では吊りきれないため、特別仕様の門型を組み立てました。これほど大掛かりなものは、ちょっと珍しいので、特別にご紹介しましょう。
まず、作品を置く場所に、免震装置を設置します。これはもしも地震が起きたときに、作品を横に滑らせて揺れのエネルギーを吸収し、転倒を防ぐものです。
単管パイプをつないだ柱を立て、櫓を組みます。画面の奥に作品(の下部)が見えます。
高さ10mまで上がる高所作業車(これもまた超美術館サイズです)もお出ましして、櫓の上にH鋼を2本渡します。
H鋼に4つのチェーンブロックを付けて、作品を引き上げます。チェーンブロックはH鋼にそって移動させることができるので、それを利用して設置場所を調整します。
作品を安全に持ち上げるために、どの部分にベルト(ラッシングベルト)を掛けるのか、また4つのチェーンブロックをそれぞれどのタイミングとスピードで引いたり、緩めたりするのか。これはまさにプロの仕事です。日本通運の重機+美術品チームの熟練の技が光ります。
作品(下部)が立ったところで、櫓を移動します。これだけ大きな櫓が、柱の下につけられた4つの小さな台車で動くのにはびっくり。
再び高所作業車が登場。ここに作品(上部)を載せて持ち上げ、作品(下部)の上に設置しました。
この後、梱包を解いて、照明をあてると展示完了となります。その出来上がりは、ぜひご来館いただいて、ご観覧いただければと思います。
2011年05月24日(火) 作れちゃう
今年も<ART!>の準備が着々と進んでおります!
<ART!>とは、Teenagerの皆さんに企画・実行していただくワークショップです。
去年はロダン館に毛糸を蜘蛛の巣のように張り巡らせて、普段とは違う空間を演出していただきましたね。
(去年の様子)
今年演出するのは、館内の竹林空間。しかし今年の糸は、特別です。
今年の糸は、東日本大震災で被災された宮城県石巻市の商店から提供していただきました。
泥で汚れたその様子からは、津波被害の一端が垣間見えます。
石巻市から遠い静岡ですが、皆さんはこの汚れた糸を見て何を感じるでしょうか?
そして十代の皆さんは、この糸で何を繋いでくれるでしょうか?
<ART!>参加者は6月半ばから受付予定です。
近日中に正式な募集が出ますので、興味のある方は美術館のホームページから「教育普及・講座」の欄を時々チェックして下さいね。
ご参加、お待ちしています!
そして今回ご協力いただきました石巻の皆様に心より感謝申し上げ、一日も早い復旧をお祈りいたします。(M.F)