作れちゃう

工作アトリエ<カラフル鯉を泳がせよう!>

今日は工作アトリエ!切り絵アーティストとして第一線でご活躍されている福井利佐氏を講師にお招きし、カラフルな鯉を作りました。

カッターを持つの初めて!という子どもさんから、普段から制作活動をされている大人の方まで、様々な方にご参加いただきました。

ハサミやカッターを駆使してちょきちょきと切っていく作業は地道ですが、なかなかはまってしまいます。

まず型紙を元に鯉の形を切り、美術館の古い展覧会のチラシなどを切って張って自由に柄を作っていきます。リサイクル!

実技室にカラフルな鯉軍団が出現しました!花柄の鯉がいたかと思えば、人面鯉がいたり、ロボット柄の鯉がいたり。あれ、なまずも一匹…。

今回作っていただいた作品の一部は、後日美術館にて展示をさせていただく予定です。

2Fショップに今月末まで福井先生のポストカードや画集が置いてありますので、そちらもぜひチェックを!繊細かつ力強い切り絵の世界が楽しめます。

作れちゃう

絵の具開放日

今日は三連休の最終日!絵の具開放日です。

いい天気に恵まれ、こども達も元気いっぱいです。

屋外テラス床いっぱいに絵を描いていきます。

まずはお水で・・・体をめいいっぱい動かして絵を描くってどんな気分かな?

まっさらな地面がだんだんカラフルに染まります!今日のテーマは「紅葉」です。

木にカラフルな葉っぱを手や刷毛で描いていきます。

最後はお水を流してお片づけ!虹色の海が広がります。

最後の片付けまで楽しめちゃう♪今日もにぎやかな絵の具開放日でした。

観れちゃう

秋のたより

この週末の三連休は天気もよいそう。みなさん、県立美術館に秋を探しにきませんか?

県立美術館周辺のケヤキ並木は、すっかり秋色です。

また、県立美術館の裏手は金木犀並木が広がっています。いまが満開!!

みなさんに秋の香りも届けたいのですが・・・とても残念!!

ともあれ、どんな季節も、季節は待っていてくれませんよ!

お待ちしています♪

美術品こぼれ話

絵の木枠のはなし(その3)

現在開催中の収蔵品展「彼方からの光」では、フランク・ステラ《Nowe miasto Ⅱ》という作品を展示しています。この作品は、いわるゆ「シェイプト・キャンバス」と呼ばれるもののひとつです。これは、様々な線条や矩形からなる複雑な形をした絵画作品で、絵画は四角いものだという常識をくつがえした、実に革新的な表現でした。「シェイプト・キャンバス」は一時期ステラの作品の代名詞ともなった特徴です。

この複雑な(あるいは単純な形体の反復からなる)形の絵画作品の裏面の木枠が、いったいどうなっているのか、以前から不思議でしょうがありませんでした。今回、この作品を展示する際に、その裏側をじっくり観察することができました。

その観察の結果は、作品の形を構成する大きなパーツごとに、やはり木枠が組んであるということでした。三角形とかひし形とか、大きなまとまりごとに木枠をつくり、それらの木枠どおしをボルトで結合して全体を組み上げてあります。そしてその上にボードを貼り、さらに様々な素材をレリーフ状に貼って作品ができています。

この木枠の組み方は、作品の形体にそっているため(というか、木枠が形体を決めているため)、構造的に無理がなく、非常にがっしりした強固な枠になっています。おそらくシェイプトキャンバスの理念とも合致した、たいへん理にかなった作りなのではないかと思います。ステラ自身が制作したのか、あるいはアシスタントによるのかは知りませんが、さすが世界に名をなす作家だけのことはあると、感心しました。ただのコンセプト重視ではなく、造形的にもしっかりしたものを作れること、それが巨匠というものかもしれません。

言葉だけではなんのことかわからないと思いますので、ぜひ展示室に来て、現物の作品を見てください。裏面を見ていただくことはできませんが、表面から見ながら、この作品の構造がどうなっているのか、想像してみるのは楽しいものです。ステラのシェイプトキャンバスの作品のかっこよさ、強さ、確かさは、目で見ないと分からないと思います。

ということで、今回のブログではあえて画像を掲載しませんでした。とても意地悪ですが、ごめんなさい。収蔵品展「彼方からの光」は、10月16日までです。(下は展示風景です。)

美術品こぼれ話

草間彌生《無題》海外貸出へ(その2)

以前、このブログでご紹介しましたが、当館所蔵の草間彌生の初期の大作が、いよいよパリとロンドンに貸し出されることになりました。

梱包用に特注した木箱です。ここに作品を収めます。ただしこの箱は、国内輸送用の内箱にすぎません。国外輸送のために、この箱をさらに大きな気密式の外箱に入れるのです。箱の制作や、作品の取り扱い方については、当館学芸員と修復家、そして輸送業者が、これまでに何度も何度も長い打ち合わせを重ねて、できたものです。すべては作品を安全に運ぶためです。

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丈夫で、しかし軽量化するために、部分的に段ボールを使っています。しかし段ボールといっても、3枚重ねになっている特殊なもの(トライウォールと呼んでます)で、たいへん強靭です。

木箱(内箱)の底面です。内箱は立てた状態のまま、外箱に引き出しのようにすべり込ませて収納します。そのため底面には滑りやすいような加工が施してあります。また出し入れするさいに引っかからないように、緩衝材などの出っ張りは面取りして角を削ってあります)。(今回担当してくれたヤマトさんのきめ細やかな技です。)

作品を木箱に入れました。この作品は側面のへりの部分まで絵の具がついているため、側面や底面をふれないように、基本的に木箱のなかに宙づりのような形でおさめます。長い輸送のあいだに留め金具がゆるまないよう、しっかり確認しながら固定します。作品の表面での作業になるので、手が触れたり、ものが当たったりしないよう、緊張して行動します。

作品を立てた状態で作業し、輸送するのは、これだけ大きな作品だと平置きにするとキャンバスがバタバタして絵の具層にダメージが加わるからです。その衝撃を緩和するためにキャンバスと木枠の間にインサートという特殊な素材を入れてあるのですが、それでもそのリスクを軽減するために、可能な限り、作品を横に寝かさずに、立てた状態のまま、梱包、輸送、展示する方法を考えたのです。

トラックに載せます。立てたまま運ぶために、トラックも大きな10tトラックを使います。学芸員が同乗して、ひとまず東京の輸送会社の倉庫へ運びます。そこで外箱に入れて、飛行機で旅立ちます。